最終段のパワーアンプは最大300Wの出力で発信するが、NMR用に設計したパルス使用のため、CWで使えるような熱設計はされていません。したがって性能試験の段階でも入力信号はパルス信号である必要があります。そこで入力信号として100Hzで+Dutyが10%のパルスを入力するために、スイッチ回路に接続する水晶制御矩形波発振器を作成しました。これで平均の出力を30Wにすることができます。実際にNMR実験で用いる繰り返しパルスでは、出力電力は平均3〜10W程度です。
回路図はこちら。
水晶波発振器のオリジナル周波数は16.384MHzですが、次段のCMOC素子の最大クロック周波数の最低が電源電圧5Vで3.5MHzなので、発振器内蔵のカウンタで1.024MHzまで落として入力しています。次にCMOS素子の10bitまで使用して1kHzに落としてから、10進カウンタで100Hzにしています。さらに以下の表でわかるように、出力Q0とQ3が同時にHiレベルになるのは全体の10%の時間であるのを利用して、この出力をNANDにつなげることで+Dutyを10%にしています。
出力においては、スイッチのOn-Offと入力レベルのHi-Lowの組み合わせがどちらでも対応できるように、NAND回路を利用して+Dutyが10%と90%の二種類の出力を用意し、HiレベルもスイッチICに合わせられるようにオープンコレクタ出力にしています。それぞれの出力波形は以下のようになっています。
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オープンコレクタ出力なので、オシロスコープで見るときは出力レベルを5Vにプルアップしています。
作製に使用したICは狸小路の梅澤無線電気で販売していたもので、京セラキンセキの水晶波発振器(EXO-16.384MHZ:調べたら既に廃止品でした)と東芝の14 Bit Binary Counter(TC4020BP(N,F))、Dual Decade Counter(TC74HC390AP)とルネサスのQuad 2-Input NAND Gates with Open-Collector Outputs(HD74LS03P:生産中止予告品)です。Decode Counter は二個入りである必要はなかったのですが、一個入りの7490がなかったので74390の片方だけを使っています。NANDでもそうですが、使ってない論理回路の入力は念のため接地してあります。(CMOSの場合は入力をオープンにしない事)
ICの配置と配線はこのようになっています。青いのは電源周りに接続してあるパスコンデンサーです。
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ICだけで締めて税込1001円でした。
2011年4月14日