【Let's えいご29】 Pow!!
やなぎさわが海外で出会った英語表現の備忘録。Let'sえいごです。
29日目は、pow!!
今日は英語の擬音・擬態語、間投(感嘆)詞のお話です。
たとえば「衝突」を表す英語の擬音語は、
pow 「パァァウ」 バシッ、パン、ポカン、ドカッ、バン、バーン、ボカッ(比較的エネルギーのおおきなものの衝突)
thwock 「すゥワック」(最初の「す」は舌の先を歯で挟む音でth=θ)です。バシッとたたく行為、その音
fwip 「フィップ」 ピューッ、シュッ、バシッ(小さなものの衝突)
whack 「ワック」 バシッ、ピシッ(強打)
といくつか挙げられます。
バットマンなどのアメリカンコミックを読んでいると、主人公が敵を殴る音に"pow!!!!"、"thwock!!!"などが使われています。これらは文字で表現する擬音で、実際の口語では"whack(ワック)"が多いようですね。
日本語に比べて圧倒的に語彙が少ないため、実際はイントネーションを変えたり、ジェスチャーを交えたりして質感や強弱を使い分けているようです。
上記の"thwock"は「バシッとたたくこと」をあらわす動詞でもあります。このように英語の擬音は基本的に音を出している現象をあらわす単語を言えばいいのですから単純です。
よく使われる例としては、
「カチカチ(ボタンを押す音)」=Click Click
「ぱらぱら、ぺらぺら、ぴらぴら(紙をめくる音)」=Flip Flip
「ビービー、ピーピー、ブーブー、ぴっ(何か警告音が鳴っている音)」=Beep Beep
「ぴしゃ、びしゃ、びちゃ(水が撥ねる音)」= Splash Splash
「どかーん、ずどーん(爆発音)」= Bom, Boooom
「がーん、ごーん、どーん、ごぃん、ガンガン(鐘の音)」=Ding Dong
英語のスピーカーが感じる子音や母音のイメージはこういったところにルーツがあるのかもしれません。
さて、
我々日本人にとって難しいのは「擬態語」や「間投(感嘆)詞」です。こういった言葉は起源がはっきりしていません。文化が違うのでやはり、一から学ばなければなりません。
その中から、日本ではあまり使わない(むしろ使っていると軽蔑されてしまう)間投詞をいくつかご紹介。
Hmmmm 「ふーむ」(鼻から息抜くだけ) ふーん。確かに…ね(でもちょっと反論あるかも)
Mmmmm 「んー」(喉から音を出す) 良い。旨い。上質だ。ん〜マンダム。(たまらなく上質で酔いしれている感じ)
Eeek 「いーっ」 ひぇーっ(冗談交じりの驚き、恐怖)
Gee! 「じぃー」 うーーーわーーーー(ありえねー)
Ugh! 「アっグ!」 きもっ!げげっ!
Yuck! 「ヤック!」 まずっ!(味が)おえっ!
Ouch 「アウチ」 いてぇなコンチキショウ(怒)!←注)あいたたっ。てへっ(笑)というニュアンスは無い
Brrr 「ぶぅぁぁ」 ガクガクブルブル(寒い)、きりきり(凍ってる)
・・・ということで、擬態語とジェスチャーさえ知っていれば、なんとか暮らしていけるのです。
逆にEnglish Speakerの前で日本語の擬態を使うと、変な顔をされるかもしれません。
"Zoom Zoom Zoom♪ Introducing 2008 new Mazda Demio." 「(車が走る音の擬音)ぶーん、ぶーん、ぶーん。 2008年 新マツダ・デミオを発売します。」
番外編
日本語の擬音って誰でも簡単に創作できますよね。その文字の持つイメージとか、発音の力などが重なり合って、時に絶妙な表現力を発揮します。
たとえば、飛んでくる物体がぶつかるときの擬音
「どすっ」重いものがぶつかって止まる
「ずどーん」質量の巨大なもの同士が衝突
「ばしっ」硬いものが比較的広い接触面積で衝突
「ずばっ」硬いものが一点に衝突し、収まる
「ぱすっ」比較的軽いものが衝突して収まる
「ばすっ」比較的重いものが衝突して収まる
「ぱふっ」衝突の際に空気が抜けている
「べちっ」水分を含んだものが衝突、もしくは水分を含むものに比較的硬いものが衝突
「べとっ」粘着性を含む水分を含んだものが衝突してつく
「べちょっ」さらに水分を多く含んだものが衝突、濡れる
「ぽこっ」衝突したもののどちらかが中空構造である
「みしっ」衝撃を吸収するものにめり込んできしむ
「むにょ」やわらかいものがゆっくりと触れる
「ぺたっ」粘着性のあるものがゆっくりと触れる
「ぺとっ」粘着性のあるものが触れてつく
「ねちょっ」やや強い粘着性のあるものがゆっくりと触れてつく
「ねちっ」さらに強い粘着性のあるものが触れる
「がさっ」粘着性のない多孔性のものが衝突
「ふもっ」柔軟で肌触りの良いものがやさしく触れる(もしくは弾性率の極端に低いものを押した感覚)
「ふぁっさーっ」毛皮状の質感を持つものがやさしく触れる(もしくは薄い髪が舞い上がる意)
・・・
と表現するだけで、その物体の質感と、速度と、インパクトの衝撃が伝わってきます。便利やのぅ。
でも、「どーん」とか「ぐわーん」という実際の音に近いもの意外は、
アメリカ人には通用しません。「ばしっ」もね。
ちなみに、ジョジョの奇妙な冒険は、日本語で口に出しても「奇妙な」擬音が多いので、翻訳者大変ですね。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。ウリイイイイィィィィィィィーーーーー。(終)