Colloquium
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Colloquium 2010
- 題目:
宇宙再電離期の銀河形成と超広視野初期宇宙探査衛星 WISH 計画
- 講師:
山田 亨 氏
(
東北大学理学研究科教授
)
- 日時
2010年11月18日(木曜日)17:00〜18:00
- 場所
理学部2号館2階11号室(2-2-11)
- 要旨
すばる望遠鏡や、ハッブル宇宙望遠鏡などの活躍により、いまや、
我々は、137億年と言われる宇宙年齢の大半にまたがり、宇宙の歴史を
俯瞰的に「観測」することができるようになりつつある。
しかし、このような現在においても、銀河宇宙史解明の最後のフロ
ンティアが未だ残されている。それは、「宇宙再電離期」をまたぐ「第1世代の銀
河」の探査とその性質の解明である。
すばる望遠鏡の観測では、最も初期(遠方)の銀河として、赤方偏
移 z=7.0、約129億年前の天体が検出され、また、最近のハッブル宇宙望遠鏡新
装置WFC3 による観測からは、さらに遠方の赤方偏移 z=7-8 の銀河候
補が多数検出されるなど、初期の宇宙の銀河の性質が少しづつ、明らかに
なり始めている。一方、赤方偏移 z=10-15程度から始まったといわれる
宇宙の再電離期をまたぐ初期の天体形成を解明するためには、
より高赤方偏移、z=10 を越える宇宙へと観測を進めなければな
らない。
今回のコロキウムでは、最近のハッブル望遠鏡やすばる望遠鏡の観
測による現在知られている最も宇宙初期に近い銀河の姿をレビューし、検証する
とともに、現在、我々が進めている 「超広視野初期宇宙探査衛星 WISH 計
画」について紹介する。 WISH 計画は、JAXA 宇宙科学研究所
理学委員会のもとに設置された WISH WG を中心として検討が進められている、口径
1.5mの宇宙望遠鏡計画で、赤方偏移 z=8-15 の銀河を多数検出し、第1
世代の銀河形成の解明を目指す野心的な計画である。
- 連絡先: 徂徠 和夫 (内線 4435)
物理コロキウム世話人 奥田 浩司 (内線 3442)