Colloquium
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Colloquium 2010
- 題目:
原子核反応と環境、摩擦、量子デコヒーレンス
- 講師:
萩野浩一 氏
(
東北大学・准教授
)
- 日時
2010年11月16日(火曜日)13:30〜15:00
- 場所
理学部2号館2階11号室(2-2-11)
- 要旨
原子核は良い近似で孤立系であるため、通常の意味で環境の自由度
が重要な役割を果たすことはない。しかしながら、原子核反応における
原子核の内部励起の自由度を内的環境としてとらえ、その原子核反応への
影響を議論することが可能である。セミナーでは、内部励起が重要な役割
を果たす例の一つである、クーロン障壁近傍における 18O+18O 弾性散乱を
議論する。同種粒子の反応では量子効果のために角度分布に干渉パターンが現れる
ことが知られているが、18O+18O 反応では内部励起のため干渉パターンが
消失する。この現象と量子デコヒーレンス現象との類似性について議論する。
また、クーロン障壁近傍における重イオン核融合反応と関連して、量子トン
ネル現象に対する内部励起の効果を乱雑行列理論を用いて記述する最近の
試みを紹介する。
- 連絡先: 木村 真明 (内線 2689)
物理コロキウム世話人 奥田 浩司 (内線 3442)