統計物理学

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統計物理学に関する理論的研究を行っている。一つには多自由度系の統計理論的研究。 例えばランダム系や複雑ネットワーク上における相転移現象の統計理論、 非線形動力学(結合振動系)、非平衡統計力学等の研究。 また、超伝導・超流動などの理論的研究や、場の量子論的手法に基づく 非平衡統計力学の研究。具体的研究テーマとしては、ボーズ・アインシュタイン凝縮。 相関の強い系の超伝導。量子渦の構造とダイナミクス。 量子輸送方程式による非平衡統計力学。 さらには、強相関電子系に関する理論的研究として、 物理現象の本質を捉えた理論モデルを構築し、 数値・解析手法を相補的に用いたアプローチを行う。 研究テーマは、マルチフェロイックス、スピントロニクス、フラストレート磁性、 トポロジカル絶縁体、多極子など。

研究室紹介

教員

氏名 メールアドレス 内線
教授 根本 幸児 nemoto< at >phys.sci.hokudai.ac.jp 3441
教授 北 孝文 kita< at >phys.sci.hokudai.ac.jp 2687
准教授 速水 賢 hayami< at >phys.sci.hokudai.ac.jp 2694
助教 奥田 浩司 okuda< at >phys.sci.hokudai.ac.jp 3442

研究紹介

  • スピングラスとフラストレート系
    規則正しく並んだイジングスピン(↑と↓しか向きが取れないスピン)の集まりを考えたとき、 隣のスピンを同じ向きに揃えようとする相互作用が働いてる場合、 ある温度以下では多くのスピンは同じ向きに揃ってしまいます。 隣のスピンを逆向きに揃えようとする相互作用が働いてる場合、 ある温度以下ではスピンは↑↓↑↓・・・上向きと下向きを交互に 取るようなスピン配位になります。どちらの場合も高温では熱ゆらぎの効果が支配的でスピンは一つのスピン配位に落ち着くことができません。 さて、同じ向きに揃えようとする相互作用と逆向きに揃えようとする相互作用がごちゃまぜにある場合、 スピンはどのような振る舞いを見せるでしょうか?
  • 非線形動力学、特に、 結合振動子系についての研究
    ここでいう振動子はエネルギーの注入と散逸のバランスのもとに現れる 非線形振動子で、物理系のみならず化学反応系や生物の体内時計、 神経回路網など 自然界に広く存在している。このような振動子は一般に他の振動子と相互作用しており、その結果として、 集団同期やカオスなど複雑な現象が現れる。 これらの現象を理解するために、簡単な数理モデルの解析や 数値実験などの方法を用いた理論的研究を行っている。
  • 複雑ネットワーク上の相転移現象
    • 複雑ネットワークとは
      私達が住むこの世界には、WWW(World Wide Web)や友人関係、食物連鎖など様々なネットワークが存在しています。 これらのネットワークの構造は、 従来の物理学で扱われてきた格子のような均一構造ではないことは明らかです。 近年、このような複雑なネットワークの構造に対する関心が高まっています。現実の複雑なネットワークには、 スケールフリー性・クラスター性・スモールワールド性などの、いくつかの共通した性質があることが分かってきています。 私達の目的の1つは、これらの性質を再現するような数学的なモデルを作成することです。ネットワークへの数学的アプローチは、 数学の分野ではグラフ理論により 古くからなされていました。最近では、WWWなどの大規模なデータ収集が可能なネットワークの出現が、 モデル作成の大きな助けになっています。さらに、もう一つの目的は、モデル化したネットワーク上で起きる様々なダイナミクスについて調べることです。 ランダムウォークや、パーコレーション(浸透現象)、Spin Systemなど、従来物理の分野で研究されてきた現象が、ネットワーク上では従来とは異なった 振る舞いを見せることが指摘されています。私達は、統計力学の手法を生かし、様々なダイナミクスについて解析を進めています。
    • 複雑ネットワーク上の相転移現象
      磁性体のスピンモデルやパーコレーション理論などの相転移を伴う現象を考える時、 一般には2次元正方格子や3次元立方格子などの、 各頂点が規則的に並んだいわゆる"格子"を思い浮かべますが、 各頂点が不均一な繋がりをした"ネットワーク"で転移を伴う現象を考えることもできます。 ある種の構造を持ったネットワークでは、格子系の、 無秩序相から転移点を境に秩序相へと相転移するシナリオではなく、 無秩序相と秩序相の間に中間的な相(臨界相)が現れるような転移を起こす事が知られています。 しかし、その臨界相での振る舞いについてはあまり研究がされていません。 そこで、臨界相の現れるネットワークで、かつ厳密解を解析的に求めることの出来るモデルとして階層格子上のパーコレーションを考え、 臨界相での系の振る舞いを調べています。

アクセス

北海道大学 大学院理学研究院 統計物理学研究室

  • 〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目

最寄駅から理学部まで

  • JR「札幌」駅・地下鉄「さっぽろ」駅より徒歩15分
  • 地下鉄南北線「北12条」駅より徒歩8分

新千歳空港から札幌駅までのアクセス

  • JR快速エアポートでおよそ40分
  • バス(中央・北斗交通)でおよそ1時間10分

研究室HP

http://jody.sci.hokudai.ac.jp/ja/(旧 物性理論I研究室)
http://phys.sci.hokudai.ac.jp/~kita/index.html(旧 物性理論II研究室)