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[Method] 超高圧における物性研究



関連項目
   インデンターセルによる高圧下電気抵抗・AC磁化測定
   MPMS用インデンター&ピストンシリンダセルによる静水圧下DC磁化測定
   ピストンシリンダセル断熱法比熱測定


極限科学には歴史的、思想的な背景がある。それは人間性の本質そのものに根源を持っている。一言でいえば、未知なものに一歩踏み込んでそれを知ろうとする好奇心である。(伊達宗行:極限の科学(講談社))


モノを極限環境においたとき、普段の常識では考えられない変化をすることがあります。例えば、酸素が金属になりその果てには超伝導を起こしたり、シリコンのような良く知られた絶縁体が金属になったりします。ここで極限環境とは極低温・強磁場・超高圧、もしくはこれらを組み合わせた複合状態のことを指します。私たちの研究グループでは、強相関電子系と呼ばれる物質群を極限環境下におくことで、新奇な相転移現象(例えば圧力誘起超伝導)の探索などを行っています。

図1

ここでは簡単に高圧発生装置について紹介します。図 2 にいくつかの高圧セルの特徴をまとめています。一般に高い圧力を発生させるには試料空間の大きさが犠牲となり、目的に応じて装置を使い分けることになります。最も広く使われているのは「ピストンシリンダーセル」であり、最大発生圧力は約2.5 GPa(25000気圧)です。この装置は、試料空間が大きいためほとんどの物性測定が可能なことがメリットです。私たちの研究グループでも様々な測定に使用しています。(下記参照)一方で、最大発生圧力の観点では他の追随を許さないのが「ダイヤモンドアンビルセル」です。この装置は試料空間が極端に狭いためバルク測定が困難であるし、取り扱いも非常に難しいのですが、その達成圧力は100 GPa(百万気圧!)を超えます。現在では地球の中心の圧力(360 GPa)に近い高圧力が研究室単位でも実現できるようになり、地球科学の分野でも応用されたりしています。残念ながら現在、我々の研究グループでは使用しておりませんが、将来的な導入を検討しています。

図2



私たちの研究グループで行っている高圧実験の最大の特徴は「インデンターセル」と呼ばれている高圧セルを用いていることです。これは岡山大学小林教授のグループで開発された特殊な圧力セルで、特徴としては

1. ピストンシリンダー以上の高圧発生可能 (最大5 GPa(50000気圧))
2. 精密磁気測定に可能な試料空間を確保
3. 小型であるために希釈冷凍機やPPMSに取り付け可能

などが挙げられます。現在、インデンターセルを用いた研究が可能なのは私たちのグループを含めても世界で数グループしかありません。


Posted at 11:09 in Research | WriteBacks () | Edit




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