核磁気共鳴という実験の性格とマシンタイムの問題から、 実験が土・日・祝日に及ぶことは多いと思います。 そのため、自己判断で実験やセミナーの入っていない平日で休んでもらっています。 しかし時間の管理を学生に要求します。教官が捕まえることのできるコアタイムをきちんと作ること、 また何等かの都合で実験を離れなければならない場合は、 他の人間にやってほしいことをきちんと伝え非常時の対応を指示できることなどです。
実際、教官との研究打ち合わせは、随時行われますので、 学生は実験をしながら大体1日の大半を学生居室で過ごすようになってきます。 これは重要なことで、研究室にいれば学問的な話や技術的な話が、突然はじまったりするので、 それを聞いていたり、話に参加すると耳学問によって技術、知識や思考能力が飛躍的に向上します。 この居室での教官や学生間の議論を研究室では重視しています。
学生はまだ成長過程なので、よいところを伸ばすという教育もあるかもしれませんが、 長所はほっておいても伸びます。しかし、短所は本人が長い年月でしみついた悪い癖なので、 努力して修正しようとしないと修正することはできません。ですから、 教官の視点で直した方がいいと感じたことははっきり指摘します。 このため、多少の居心地の悪さがあるかもしれません。 しかし、居心地のいいの環境下では人間は成長できないと考えます。また指摘を受け入れるかどうかは学生の判断です。