CdMnTeの発光について


 図1は、Cd1-XMnXTe (x=0.46)における典型的な発光スペクトルです。
 一番右側の鋭いスペクトルが吸収端発光(EgPL)、中央と左側がMnイオンの3d電子のd-d遷移に関係した発光と考えられているMn発光(MnPL)赤外発光(IRPL)です。
 吸収端発光はCdMnTeのバンド間遷移に関係したもので、励起子の再結合による発光です。
 一方、Mn発光はMnの3d電子の内部遷移による発光で、 多重項第一励起状態4T1から 多重項基底状態6A1へ遷移するときに発する光であると考えられています。
 この発光は、d電子が局在していると考えた多重電子状態で説明されます。 また、赤外発光の起源は、励起スペクトル、発光スペクトル等がMn発光に類似していること等から、Mnの3d電子に関係していると推測されていますが、報告も少なく、まだ詳しいことはわかっていません。