講演題目: 低スピン単分子磁石の量子ダイナミックス
- 三角リングから多面体へ
講 師 : 野尻浩之
(岡山大学理学部物理学科・教授)
日 時 : 平成15年11月18日(火) 16:00-
場 所 : 北海道大学大学院理学研究科物理学専攻 大学院講義室
理学部 2号館(2−11号室)
要 旨 :
近年、量子トンネル効果をはじめとしてナノスケールのスピン系の動的性質に興味が集まっている。これまでは主に、Mn12に代表される高スピンの単分子磁石が研究されてきたが、これらはナノスケールの単磁区磁石と見なすことが出来る。これに対して、低スピン状態を基底状態とする系では、磁場に印可によって励起状態への遷移を引き起こすことが出来、その際の磁化の反転の機構を広い時間領域で研究することが可能である。本公演では、最小の低スピン単分子磁石である三角リングにおける量子ヒステリシス現象やスピン多面体の擬似相転移など、低スピン単分子磁石における最近の研究を紹介する。
世話人 熊谷健一 (北海道大学大学院理学研究科)
(Tel: 011-706-4422,
kumagai@phys.sci.hokudai.ac.jp)
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