Colloquium
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Colloquium 2008
- 題目:
遅延時間分布からさぐる Ia型超新星の母天体の謎
- 講師:
戸谷友則 氏
(
京都大学大学院理学研究科・准教授
)
- 日時
2008年10月30日(木曜日)16:30〜18:00
- 場所
理学部2号館2階11号室(2-2-11)
- 要旨
Ia型超新星は標準光源として宇宙膨張の測定にも用いられる重要な天体だが、
実はその起源はまだよくわかっていない。主なシナリオとしては
白色矮星と主系列星あるいは赤色巨星の連星において、白色矮星への
質量降着が爆発のトリガーとなる single degenerate 説、または、
白色矮星同士の連星が重力波放出を経て合体する際に爆発するという
double degenerate 説などがある。これらを観測的に区別しうる一つのアプローチに、
遅延時間分布が考えられる。この遅延時間とは、連星が生まれてから
Ia超新星に進化するまでの時間で、母天体のシナリオによって異なる
分布が予言される。今回我々は、すばるXMMニュートンディープフィールドの
最新データを駆使し、これまでに無い精度でIa超新星の遅延時間分布を
観測的に導出することに成功した。このデータと理論予言を比較する事で、
Ia超新星の起源について議論する。
- 連絡先: 羽部 朝男 (内線 2693)
物理コロキウム世話人 奥田 浩司 (内線 3442)