Colloquium
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
Colloquium 2007
- 題目:
階級社会と村の発生を物理学で捉える
- 講師:
小田垣孝 氏
(
九州大学大学院理学研究院教授
)
- 日時
2007年12月5日(水曜日)16:30〜
- 場所
理学部2号館2階11号室(2-2-11)
- 要旨
文明が発展すると共に人間の社会には、階級が出現した。最近注目されている
フラットな社会においても、上下関係が自然に生じる。一見複雑と思える社会構造の
出現を単純な競争アルゴリズによりモデル化し、物理学の手法を用いて個々人の
行動様式と社会構造に密接な関係があることを示す。
各人が戦いを避ける平和主義民族では、人口密度を増していくと、まず中間層と
敗者からなる階級社会が出現し、ついで中間層の多くが勝者となる階級社会へと
移行する。平均場近似に基づいて、最初の転移は連続的であり、第2の転移が
不連続的であることを示す。
また、各人が常に強者に挑戦を挑む好戦的民族では、低い人口密度でも
階級社会が生じる。階級社会の構造は、個々人の行動順序によって異なり、
順序が固定された社会では、少数の勝ち組の周りに負け組と中間層が群がる
ような村が形成される。行動順序が不規則な場合は、大きな村と放浪者が生じ、
さらに村の内部は規則的な秩序が生じる。
- 連絡先: 野嵜 龍介 (内線 2691)
物理コロキウム世話人 奥田 浩司 (内線 3442)