それはどんな内容ですか?


 この研究では、半導体に磁性原子を混ぜて作った結晶である、 半磁性半導体について調べています。 主にII−IV族の半導体CdTeに磁性原子のMnを入れた CdMnTeを用いています。
 この物質に光(例えばレーザー光)をあてると、物質が別な色で光るのを見ることができます。これは、光をあてることによって、よりエネルギーの高い状態(励起状態)へ移った物質が、元の状態(基底状態)に戻るときに出す光(発光)です。
 だから、この出てきた光を調べると、物質中の電子の状態がわかることになります。
 私たちの研究は、試料の環境を様々変えながらこの発光を実験して、その環境に応じた変化をみて、CdMnTe中のd電子の励起状態がどうなっているかを調べてみよう、ということが目的です。
 試料の環境とは、温度、圧力、光の波長などで、私たちの研究室では、温度は、−271℃(2K)という極低温から普段私たちが生活している温度(約25℃)まで、圧力は、ダイヤモンドを用いた機械を使って真空から数GPa(数万気圧)まで、また、光の波長は、紫外光から可視光を通して赤外光までで実験を行っています。