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国際学会体験談(水田崇聖さん@固体電子物性研究室)
2019年6月16日から21日にかけて、超伝導に関する国際会議のひとつであるSNS 2019に出席しました。超伝導は、ある温度Tc以下で物質の電気抵抗が消失する現象として知られており、今日では、超伝導を示す物質は単体だけでなく様々な化合物の中にも見出されています。SNSでは、こうした新奇超伝導体に関する研究発表や議論が行われます。1991年から続く同会議は、現在では3年ごとに開催されています。第12回大会にあたるSNS 2019は、東京大学本郷キャンパス伊藤国際学術研究センターで開催されました。
 私は“Coexistence of electronic superstructures in high-Tc cuprate Bi2Sr2CaCu2O8+x studied by STM/STS”(「STM/STSからみた銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+xにおける電子系変調構造の共存」)という表題でポスター発表を行いました。銅酸化物高温超伝導体では、超伝導を担う電子状態と超伝導に直接寄与しない電子状態とが共存することが知られており、両者の関係は大きな注目を集めてきました。我々のグループでは、これらの異なる電子状態に由来する電子系の変調構造を同一の領域で観測し、その共存関係を評価することで両者の関係に関する新たな知見を得たので、その成果を報告しました。
 幸いにも多くの方が私のポスター発表に関心を持ってくださったようでした。ポスターセッションの開始時から議論の相手は途絶えることがなく、ようやく落ち着いた頃にはポスターセッションは既に終了し、辺りのポスターは軒並み撤収されているという具合でした。このポスターセッションを通じて、多くの研究者の方々から有意義なコメントをいただきました。
 国際会議へ参加することで、世界の最先端の研究にじかに触れられるほか、議論を通じて自身の研究をさらに深く掘り下げて考える機会も得られます。こうした経験は、その後の研究を進めるうえでの良い刺激ともなるでしょう。今後、ますます多くの後輩諸氏が国際会議に出席し、その中で有意義な経験を積まれることを期待いたします。
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