top.jpg
物理学科 理学院 理学研究院 理学部 北海道大学 ENGLISH
講義案内
コロキウム
雑誌会
修論発表会
スタッフ一覧
支援室・図書室
卒業後の進路
奨学金
電子雑誌
リンク集
ホーム
国際学会体験談(今 布咲子さん@Jマテリアル強相関物性研究室)
兵庫県の神戸大学にて2019年9月18日から4日間にわたり開催された国際会議「J-Physics 2019 International Conference」に参加してきました。発表内容はUIr2Ge2という物質において初めて行った単結晶の基礎物性測定についてです。この物質は1:2:2の組成を持つウラン化合物の中では数少ない、ウランのサイトが局所的に空間反転対称性を破るような結晶構造を持っています。今回は磁化、比熱、電気抵抗の温度依存性とそれらにおける磁場効果を調べた結果について報告しました。
本会議では「多極子」をキーワードにEuPtSiのスキルミオンや新規ウラン超伝導体UTe2をはじめとした、今まさに注目を集めているテーマについてそれぞれセッションが設けられており、実験・理論の両面から最新の研究成果が発表され、活発に議論が行われている様子を目の当たりにしてきました。前日の17日は「KINKEN-WAKATE 2019 multipole physics」と題してチュートリアルセッションが設けられており、国内外からの著名な先生方からレクチャーを受けるという大変貴重な経験ができました。さらに同日、ポスター発表で参加する学生らに、壇上にて英語で2分間ポスターの概要を発表する機会が与えられました。大変緊張しましたが、私の研究している物質の知名度はあまり高くないため、ポスターを訪れる方が増えるように積極的にアピールしました。当日は何人もの方がポスターを訪れて下さり、これから行うべき実験や解析についての具体的なアドバイスをいただくことができました。最終日には受賞式があり、大変ありがたいことにポスター賞をいただきました。もっといい研究ができるように精進していきたいです。
プログラムや雰囲気など、会議全体を通して感じたことは、学生の育成は大学や国の境界を越えて支えられているということです。英語も物理も実力不足で聞き苦しい発表であったにも関わらず、どの方も熱心に聞いてくださり、アドバイスやエールを下さったことが本当に嬉しかったです。普段は研究室の中で先生方や先輩に指導していただいていますが、それだけでなく大学の外にも自分達の研究を支援してくださる方々がいるのだと思うと非常に心強く感じました。
後輩の皆さんも国際会議等に参加できる機会があれば、ぜひ大学外に飛び出して、色々な方々と交流してみて下さい。
 余談ですが筆者にとって、神戸に滞在したのはこれが初めてでした。会場となった神戸大学の六甲台キャンパスがあるのは、その名の通り台地のような場所で、毎朝ハイキングコースよりも険しい傾斜を登って会場に向かっていました(登り切ったあとは少し息が上がる くらい良い運動になりました)。神戸の街並みはどこも美しかったのですが、キャンパスから見下ろした景色は特別です。
昼と夜、どちらも言葉では表現できないほど素晴らしい景色でした(写真参照)。また、神戸というと本格中華やスイーツのイメージがあり、それらも楽しみの一つでありました。しかし直前まで日本物理学会に参加していたこともあって疲れが溜まっていたのか、風邪でダウンしてしまい残念ながら堪能できずに終わってしまいました。いつかまたリベンジしたいです。
All Rights Reserved, Copyright ©2012, Department of Condensed Matter Physics, Graduate School of Science, Hokkaido University