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国際学会体験談(井上天さん@数理物理学研究室)
会議名 : Interdisciplinary Symposium for Quasicrystals and Strongly Correlated Electron Systems
開催国、都市 : 仙台、東北大学片平キャンパス
開催期間 : 2019年6月23日 - 27日
2019年6月23日から27日にかけて仙台で開催された「Interdisciplinary Symposium for Quasicrystals and Strongly Correlated Electron Systems」という準結晶と強相関電子系を主題とする国際会議に参加しました。
準結晶とは、並進対称性を伴わない長距離秩序と結晶学的に許されない回転対称性(5回、8回、10回回転など)により特徴づけられる構造で、結晶、アモルファスに次ぐ「第3の固体」として注目されています。2011年には準結晶の発見に対しノーベル化学賞が贈られています。最近では、準結晶物質で量子臨界現象や超伝導が発見され、準周期性と電子相関との関係が話題となっています。
この会議では、物理学、数学、化学、金属学といった幅広い分野の研究者が集まり互いに交流することで、準結晶と強相関電子系という2つのコミュニティに橋を架け新たな領域を創出することを目的としており、今回が第3回目の開催となりました。
私は「Spin-chirality-driven magnetic Raman scattering in Penrose-lattice Heisenberg antiferromagnets」というタイトルでポスター発表を行いました。 この研究では、代表的な2次元準結晶であるペンローズ格子上に設定した反強磁性ハイゼンベルグモデルに対し、線形スピン波理論を用いて磁気ラマン散乱の計算を行い、群論を用いた解析を通じてペンローズ格子の幾何学と磁気励起について議論しました。
ポスターセッションでは多くの聴衆に興味を持って頂くことができ、活発に議論をすることができました。この会議には物理以外を専門とする研究者も多く参加していることもあり、いままであまり考えていなかった観点からの質問・コメントも多く、今後の研究を進める上での視野を広げることができました。
会議に参加してまず感じたことは、英語力の重要性です。 ポスター発表だと1対1でのやり取りとなるため、相手に合わせてその場で説明しなければならず、また事前に想定していなかった質問も多く、咄嗟に英語で回答するのはなかなか難しかったです。
その他には、会議ではコーヒーブレイクの時間が長めに取られていて、そこで活発な議論が行われていました。最初は気圧されてしまう場面もありましたが、参加者は皆親切なので最終的にはその輪の中に入っていくことができました。コーヒーブレイクでは発表中の質疑応答よりもさらに突っ込んだ議論をすることができ、思い返してみると会議中で一番濃い時間だったかもしれません。 もちろん研究以外の話もたくさんすることができ、互いに交流を深めることができました。< 国籍や研究テーマなど異なるバックグラウンドを持つ人たちとの交流は刺激になります。
今回国際会議に参加することで、普段読んでいる論文を書いた方の話を直接聞き、最先端の研究に触れるなど、貴重な体験をすることができました。また、会議で知り合った同年代の若手研究者と一緒に食事や観光に出かけるなどして新たな人脈を得ることもでき、非常に価値のある時間を過ごすことができたと思います。みなさんも機会を逃さず積極的に参加してみてください。
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