
学術変革領域研究 (A)「極限宇宙」と「アシンメトリ量子」の共催で開催されたworkshop「高次にもつれた量子相探索の展開」で吉田が講演しました。量子カゴメ反強磁性の磁場中で観測されつつある共鳴ヘキサゴナルマグノンの結晶状態について報告し、議論を行いました。共鳴ヘキサゴナルマグノンはカゴメネットワークのヘキサゴンに局在し、強くエンタングルしたマグノンが結晶状態を作る大変興味深い状態です。典型的な相互作用を有する量子カゴメ物質では、このような現象は数10テスラから100テスラの超強磁場下で安定化すると考えられますが、我々は相互作用を抑制した物質を開発し、マグノン結晶が8-14 テスラという実験室の超伝導マグネットでアクセス可能な磁場下で創発することを見出しました。バルクの磁化や熱物性、さらに微視的なNMR等によってこの現象を多角的に評価しています。