成果報告会

2010年は大滝セミナー ハウスで2月20,21日の12日の日程で数学と物理合同で開催します。参加人数は52人。集合場所は理学 部博物館前、集合時間は8時半です。集金する ので遅れないようにしましょう。日程は

20日
21日
9:00
北大発
7:00
起床
12:00 大滝着、昼食
8:00
朝食
13:30
発表会1
9:00 発表会3
18:00 夕食
10:30
Lecture
19:30
発表会2
12:00
昼食
21:30 懇親会
15:00
大滝発
22:30 消灯
18:00 北大着


発表会の暫定プログラムは こちら。
参加費は交通費宿泊費食費保険料込みで1000円です。
体育館で本格的に運動したい人は上履きを持参することを推奨します。
浴場にはシャンプーと石鹸は備え付けられています。タオルは持参してください。


2009年の成果報告会

平 成20年度(21213日ー14日) に「北海道地区国立大学共同セミナーハウス」(北海道大 滝村)で,研究室体験,基礎ゼミ等の諸活動の研究発表会を 行い,39名が参加し,熱心な議論 が展開された。


                  



 

発表者,タイトル

発  表  概  要

(物理学科2年)

複雑液体にお ける分子ダイナミックスの研究

水をはじめとした液体,ガラスなどの複雑液体は,固体 のように構造的な特徴を調べても非常に複雑でその特性を調べることは困難である。このような複雑液体においては刺激を与え,それに対してどのような応答を 示すかを調べると効果的である。実際にこれまで多くの物質がインピーダンス分光法で測定され,複雑液体の物性の解明に貢献している。現在は潤滑油に注目し ており,その性質と動的ダイナミックスを調べている。

(数 学科2年)

BaTiO3の誘電特性― 驚異のチタバリ

チタン酸バリウムの研究。チタン酸バリウムは他の強誘 電体に比べ,大きな誘電異常を示し,機能性材料として興味深い物質である。デバイスとして使用した場合,誤って120℃を越えてしまうと相転移が起こり,その性質が大きく 変わるため誤作動の原因となる。本研究ではチタン酸バリウムに添加物を加え,その相転移温度を室温から遠ざけ,よりデバイスに応用しやすい材料の可能性を 探索する。今回はチタン酸バリウムのセラミクス試料を作製法や誘電測定の原理など必要な技能を学んだ。

(物 理学科2年)

NdFeB永久磁石の磁 区観察

自動車のモーターはできるだけ強力な磁石が必要とされ る。NdFeB磁石は最も強力な磁石の1つとして知られるが,高温で 磁荷が失われやすいという欠点がある。この研究では減磁過程のメカニズムを調べている。NdFeBのカー測定を行い,外部磁場に対する永久磁区の減少過 程を調べた。その結果,NdFeB磁石の減磁過程の観察に成功した。今後,高温でどのよ うになるのか,この物質の減磁過程を調べてみたい。

(物理 学科2年)

(TMTTF)2Xの振動分光法 による研究

(TMTTF)2Xp結合により一次元的に結合しており,アニオンの配向に よる相転移とチャージオーダーによる相転移が知られている。チャージオーダーによる相転移の前後ではラマンスペクトルに明瞭な違いを観測でき,それが結合 の強さを表している。この物質を3月に分子研にて実験を行う。それについて今後検討を進めていく。

(物 理学科2年)

1次元有機導体 (TMTTF)2X の電子状態

1次元有機導体(TMTTF)2X である(TMTTF)2ReO4p結合により一次元的に結合しており,アニオン配向秩序 相転移と電荷分布相転移する。この物質の伝導性は疑似4端子法による結果が報告されているが,正確に試料を測 定することが出来ていなかった。この研究では4端子法により電気抵抗を測定した。結果,相転移温度に 対応した,明瞭な異常が観測された。

(物 理学科2年)

ピン止め効果 をおこさない超伝導作製

高温超電導体YBaCu3Oは液体窒素温度で超伝導を起こす。マイスナー効果を利 用したリニアモーターの模型は浮上しているにもかかわらず,レールの上をスムーズに進む。これは一般にピン止め効果と呼ばれる現象により引き起こされてい ることが知られているが,それではピン止め効果のないものでは,レールから外れてしまうのだろうか?本研究では高校の時から疑問に思っていた問題を考える ために,ピン止め効果のない系を実際に作製し,比較する。ピン止め効果はセラミック試料に微細な空隙ができるため,引き起こされる。現在,単結晶試料の作 製中である。また任意に不純物を添加した時の量に対する振舞に興味がある。

(物理学科2年)

テラヘルツ時 間領域分光法によるレチナールの測定

今回はすでにある装置に,新たにGPIBを利用して波形デジタイザからデータをパソコンに取り 込む形に改良したことと,その装置を用いてテラヘルツ波測定の二つを行った。テラヘルツ波による吸光測定はβ-caroteneretinalについて測定した。β-caroteneretinalの二量体であり,この分子構造によりスペクトルがどの ように変わるか興味がある。今回はβ-caroteneについて測定を行い,シグナルを観測した。今後は温度 依存性およびretinalとの構造による違いを検討する予定である。

(物 理学科2年)

URuGe₆の物理的性 質

URuGe₆を調べた。URuGe₆は6.8Kで超伝導体になる。今回はURuGe₆の多結晶を作製し,加工,その評価までを行った。評 価は粉末X線回折法により行われ,その結果,格子定数は過去の報 告とよく一致する結果を得た。そのため試料はうまくできていることが結論される。今後,比熱,電気抵抗,磁化率の測定と高圧化での電気抵抗,磁化率の測定 を行うことで,この物質の超伝導をもっと詳しく調べてみたい。

1年)

オープンラボ の企画・テーマ提案-ゴミ箱の確立

ごみ箱にごみを捨てるという行為は日常で何気なく行わ れている。少し横着して遠くのごみ箱にごみを投げ捨てるということは誰でも一度はしたことがあり,そして同時にうまくごみ箱入らなかった経験もあると思わ れる。このごみ箱にうまく入るかどうかは距離と関係していると予想されるが,実際のところはよくわからない。そこで,ごみ投げマシーンを作成し,統計的に 調べることでこの距離との関係が明らかになるのではないかと考えられる。これを作成して,その結果を検討していきたい。

1年)

オープンラボ の企画・テーマ提案―スターリングエンジン

スターリングエンジンは現実に存在しうる熱機関の中で 最も効率よく熱エネルギーを運動エネルギーへ,運動エネルギーを熱エネルギーに変換することができる。これを授業で学習したカルノーサイクルなどの熱機関 と比較することで熱に対する理解を深める

1年)

オープンラボ の企画・テーマ提案-液体窒素教材の開発

液体窒素について。液体窒素は比較的安価であるため, 広く演示実験に使用されている。しかしその多くはある程度決まった実験になってしまっており,ワンパターン化しているように思われる。理科離れが叫ばれる 昨今において,もっと理科の素晴らしさを伝えることができる実験はないか検討した。今回検討したものは次のとおりである。①温めなくても沸騰するやか ん,②勝手に膨らむ風船,③たばこ。いろいろなアイディアを検討してみたが,インパクトのある実験はやはりすでにほとんど行われており,そのむずかしさを 痛感した。しかしこのようにパターン化せず新しい試みに挑戦するのは大切なことであると考えられるので,今後もまた新たな試みを考えたい。

2名(1年)

オープンラボ の企画・テーマ提案-女性のために

最もめくれにくいスカートに関する研究。近年,不審者 が増加しており女性の被害が後を絶たない。そこで女性のファッション性を保ちつつ,被害を少なくするために必要な条件を考察する。今回は力学的な視点から ①スカートの裾に重心をもつようなモデル,②スカートを一様な剛体であり変形しないと仮定し,直線的な形状と裾が広がっているような形状の二つに関して検 討した。①の計算からは重い素材であることが望まく,②の計算からは直線的形状すなわち慣性モーメントが大きな方が良いことが結論された。

6名 (数学科2)

基礎ゼミ報告 -多変数解析学

ユークリッド空間の位相から出発して微分積分学の多変 数の場合への一般化へと進み,高次元の場合の微分積分学の基本定理であるストークスの定理について学習した。ストークスの定理や速度ゼロの集合を説明す る。

4名(1年)

基礎ゼミ報告 -解析学入門

田島著「解析学入門」を輪読し,e-d論法を用いた論理によって展開される,実数の連続性, 連続関数,微分可能性,積分可能性,一様連続性などの基礎的概念を学習する。e-d論法による収束の概念の厳密化を解説し,チェザロ和の 極限定理の証明の概略を示す。

4(1)

基礎ゼミ報告 ―曲線と曲面

平面曲線の曲率とその性質,空間曲線の局所的理論,空 間の曲面の局所的理論を経て,曲面の大域的性質に関する基本定理であるガウス・ボンネの定理を学んだ。本発表では曲線と曲面の曲率の定義とガウス・ボンネ の定理を紹介し,例を用いてその意味を説明した。