研究室紹介
当研究室ではNMR測定を主軸に、分子性導体や強相関電子系における多様な秩序状態の研究を行っています。
また、分子性導体や遷移金属酸化物、カルコゲナイドなどの低次元電子系の超伝導、
電荷・スピン密度波などの現象を、低温・高磁場・高圧下における輸送現象やSQUID磁束計を用いた磁化率、
低温トンネル顕微鏡などの測定手段を用いて調べています。
さらに、微細加工を用いることでメゾスコピック試料におけるトポロジカル量子物理も調べています。
研究に使用する有機化合物の合成も研究室内で行うことが出来ます。
教員
|
氏名 |
メールアドレス |
内線 |
教授 |
河本 充司 |
atkawa< at >phys.sci.hokudai.ac.jp |
4423 |
准教授 |
松永 悟明 |
mat< at > phys.sci.hokudai.ac.jp |
4427 |
講師 |
井原 慶彦 |
yihara< at >phys.sci.hokudai.ac.jp |
4426 |
助教 |
延兼 啓純 |
nobukane< at >sci.hokudai.ac.jp |
4431 |
助教 |
福岡 脩平 |
fukuoka< at >phys.sci.hokudai.ac.jp |
4424 |
研究紹介
核スピンI = 1/2を持つ原子核に外部磁場H をかけると
Zeeman効果により上向きスピン状態と下向きスピン状態の
エネルギー準位が分裂します。
この分裂幅ΔEに等しいエネルギーを持つ電磁波を照射すると、
電磁波と核スピン系の間に共鳴が起きます。
この現象を核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance
: NMR)と呼びます。
角周波数ωの電磁波が持つエネルギーは?ωですから、
共鳴を起こす条件は核磁気回転比γという係数を用いて
ω = γH と書き表すことが出来ます。
つまり、原子核が感じている磁場を角周波数に変換することができるわけです。
周波数は精度良く測定することが出来るので、
NMR現象を利用することにより、核位置での局所磁場を高精度に測ることができます。
- 有機超伝導体における走査型トンネル分光
- 単層・ナノチューブ等における走査型トンネル分光
- 不整合スピン密度波相の多相構造
- スピン密度波のダイナミクス
- 磁場誘起スピン密度波相におけるアニオン秩序化による超格子構造の役割
- 擬一次元有機導体におけるスピン密度波転移と電子相関
- 金属絶縁体転移近傍の擬二次元電子系の低温相図
- カイラル超伝導体における新奇量子現象
装置
Thumway社製受信機と自作パルス発生器などを組み合わせたNMR測定システムです。
この組み合わせを中心としたシステムが現在の主力となっています。