極低温グループ
- Very Low Temperature Group -

 微視的測定
 基礎物性を北大で調べた後、さらに微視的な情報を必要とする場合、狙いを絞って中性子散乱ミュオン スピン回転・緩和・共鳴(muSR)などの測定を、高エネルギー加速器 研究機構(つくば)、日本原子力研究所(東海)、Paul Scherrer 研究所(ス イス)等に出向いて行っています。

 中性子散乱実験
 中性子は電荷を持たずにスピンを持つ粒子です。微小磁石としての性質があり、これを物質に打ち込むと、物質中の電子磁気モーメントや原子核と力を及ぼし合って散乱されます。中性子散乱実験では、中性子の波としての性質である回折現象を利用し、物質中の磁気モーメントの配列や運動を調べることができます。私達のグループでは、年に 3~4 回、東大物性研究所の共同利用として日本原子力研究所で実験を行っています。




研究用原子炉JRR-3M




汎用三軸型中性子分光器(4G GPTAS




実験風景




実験終了後の反省会
(東大物性研究所中性子科学研究施設にて)





 ミュオンスピン回転・緩和・共鳴(muSR)実験

 プラスの電荷とスピンを持った正ミュオンは、固体中に打ち込まれると、数ナノ秒のうちにスピンの向きをそろえて格子間位置に止まります。その位置に磁場があると、ミュオンはその回りを歳差運動し、2.2マイクロ秒の寿命でスピンの向きに陽電子を放出して死滅します。この陽電子の時間・空間分布を通じてミュオンの運動を調べることにより、物質内部の磁場の分布や変化に関する情報を得ることができます。私達のグループでは、年に1~2度、高エネルギー加速器研究機構(KEKポールシェラー研究所(PSIでこの実験を行っています。




高エネルギー加速器研究機構(KEK
にあるミュオンポート




スイス、ポールシェラー研究所
にあるミュオンポート




実験風景1




実験風景2




実験を終えて




スイスからドイツへ向かう寝台特急の朝


北海道大学 / 大学院理学研究科 / 物理学専攻
E-mail: amiami@phys.sci.hokudai.ac.jp