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研究

S = 1/2 カゴメ格子反強磁性体 CaCu3(OH)6Cl2・0.6H2O


 CaCu3(OH)6Cl2・0.6H2Oは、S = 1/2 を持つCu2+イオンが理想的なカゴメ格子を形成している物質です。 鉱物名はCaがZnのものがKapellasiteと呼ばれているため、我々は発見した当初Ca-Kapellasiteと呼んでいました。 今年就職した野口君が水熱をうまく使って大型単結晶の合成に成功しました。 実はCaCu3(OH)6Cl2・0.7H2Oは、Centennialiteという名前で、その磁性に関しても先行研究がありました。 しかし、我々の物質とは空間群、水の量が違い、また、磁性も違います。Centennealiteではウィークフェロが出てます。 我々の物質のバルクのデータは左図に載せてあるグラフたちで、ざっくり説明すると7 Kで何らかの転移があって、比熱にT-linear項があります。 詳しくはH. Yoshida et al., JPSJ, 86, 033704-1-5, 2017.をご覧ください。 何より、結晶がきれいで、大きいです。