実験手段開発(誘電分光法)
研究情報
各種熱力学的応答関数は物質の内部構造と密接に関係し、応答関数の緩和過程は物質を構成する分子等の構造やダイナミクス(動的構造などともいう)を反映します。複雑液体では、様々な時定数を持つ揺らぎが共存するので、それらを把握するためには広帯域な測定が必要です。各種応答関数の中でも誘電応答は電気的測定で観測でき、誘電分光と呼ばれる振幅と位相を含んだ複素誘電率測定でカバーできる周波数範囲は大変広範囲で、他のいかなる応答関数観測に比べて最も広帯域です。私たちは、広い周波数領域(1μHzから25GHz)において様々な機械的特性を持った試料の誘電応答を観測するために、新しい誘電分光法の開発を行いながら、研究を進めています。