相互作用する多体系を扱う統計力学の最も興味ある研究対象は相転移の微視的機構 である。磁性体や気体−液体相転移等の平衡系相転移における臨界現象の統一理論は 繰り込み群理論で一段落した。以後この分野の研究は,(1)物性論として未解決の 個別の相転移の問題を目指す以外は,大半は(2)非平衡状態と(3)不規則系での 相転移の研究に向かった。理論的問題はいずれも,非線形項の効果を熱力学的量の計 算にいかにとり入れるかにある。そこで問題は(4)多体系の非線形力学の研究へと 深まった。非線形問題では計算機による数値計算やシミュレーションが重要な役割を 果たす。当研究室のテ−マは(1)〜(4)に渡っており,相互に密接に協力して いる。(1)は当大学で活発に活動している実験家と協力した強誘電体を中心とした 構造相転移の機構の研究である。(2)は菊池の提唱した非平衡系での経路確率法を 発展させると共に,その最適な応用の一つと考えられる結晶成長の理論を扱っている 。(3)はスピングラスと呼ばれる強磁性体と反強磁性体の混晶系の理論的振る舞い を対象にしている。生物の神経中での神経細胞の情報伝達機構との関連で関心を集め ている分野でもある。(4)の非線形力学は数学との境界とも言える新しい展開を見 せている分野であり,生命現象との関連の追求が最大の目標である。最近広義には( 2)〜(4)が,狭義には(4)が,複雑系の研究という命名をされている。
スタッフ 徳永 正晴 (教授) tokunaga@phys.hokudai.ac.jp 011-706-5273 和田 宏 (教授) kwada@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3517 根本 幸児 (助教授) nemoto@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3441 奥田 浩司 (助手) okuda@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3442 学生 近江 弘和 (D2) h_omi@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 片野 由人 (M2) katano@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 樺沢 勇樹 (M2) kabasan@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 山田 定徳 (M2) yamada@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 小川 佳宏 (M1) ogawa@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 佐々木 志剛 (M1) msasaki@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 吉田 崇志 (M1) yoshidat@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 猪原 直美 (B4) inohara@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 井原 教博 (B4) ihara@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443 田中 充太郎 (B4) mitsuta@phys.hokudai.ac.jp 011-706-3443