研究室紹介

近年、インターネット等の普及に伴い、情報通信技術に対する需要はますます 高まってきている。その中でも現 在既に中心となりつつある光ファイバー等を 用いた光通信の分野は、今後さらにその重要性を高めてゆくであろ うことは 論をまたない。

光物性物理学の分野は、そういった光技術を支えるという意味で非常に重要な分野で あると共に、基礎物理的に 見てもその魅力は大きい。

我々の研究内容を一言で言うと、レーザーを用いた光物性全般の実験的研究である。 光物性というのは物質に光 が当たったときに光が吸収されたり反射されたり 散乱されたりといった現象を調べる分野である。蛍光(ルミネ ッセンス)や 燐光(フルオレッセンス)の様に物質が光を一旦吸収した後に別な光を放出する現象や、 光を照射し たときに電気伝導度が変化したり(光伝導)といった現象も重要な観測手段の ひとつである。

対象となる物質は液体から固体、半導体、超格子などと様々であるが、 現在扱っているテーマとしては

  1. 半導体の高密度励起状態における非線形効果
  2. 半導体や絶縁体超格子の励起子光物性
  3. 半導体中の局在状態の励起と格子緩和
  4. サイクロトロン共鳴を用いた半導体中電子の運動量緩和の研究
  5. 光学過程における量子力学的コヒーレンスについての研究
等がある。1〜4は固体(半導体)を対象にしている。また5では主に 液体がその舞台となっている。