北海道大学 | 物理学部門 |物性物理学専攻 | 物性理論グループ | 物性理論III研究室
山本 昌司 (Shoji
YAMAMOTO) 写真前列真中青いユニフォーム
理学研究院物理学部門/理学院物性物理学専攻 教授
(後列左から3番目青いタオルは大原潤助教)
略歴 | メッセージ | 研究主題 | 発表論文 | 連絡先
1963年 9月生
趣味: サッカー(学生時代はウィング、ドイツのKarl‐Heinz Rummeniggeが大好きだった)スキー(北海道の人を前にしては雪遊び程度だけれど、野沢温泉のスカイラインや八方尾根の兎平が大好き)
音楽鑑賞(学生時代はペイジに憧れゴールドのレスポール、Zeppelin,Eagles,TOTOのコピーもしていた)
1988年 3月 京都大学理学部卒業(物理学系)
1990年 3月 京都大学大学院修士課程修了(物理学第一専攻)
1993年 3月 京都大学大学院博士課程修了(物理学第一専攻)・理学博士
1993年 7月 大阪大学助手(教養部,理学部,大学院理学研究科物理学専攻)
1996年10月 岡山大学助教授(理学部,大学院自然科学研究科)
2002年 7月 北海道大学教授(大学院理学研究科物理学専攻)
この間
1996年 ドイツ連邦ハノーヴァ大学招聘研究員(理論物理学研究所)
国内外大学の物理学部門を渡り歩いてきました。毎週昼休みを惜しんで熾烈な黒板取り競争をする演習の授業,自らの歓迎会企画が最初の仕事である研究室,期末試験で手を挙げ『これは範囲外ではないか』と真顔で質問する学生,拳骨で机を叩いてゲスト・スピーカーに謝意を表すセミナー,帰国が迫る中学食で論文を書いていると『ドイツでは食事をしながら仕事をしない』と諭す親切なおじさん,最上階研究室から初日の出を拝んでしまった猛烈院生,・・・。さまざまな環境と文化に,時には感心し時には閉口しましたが,どこへ行っても必ず,純粋に『物理が好き』で集まってくる学生が少なからずおり,私自身元気や勇気をもらってきました。
理論物理学を目指すには,素養や才能も必要ですが,何よりもまず,物理―ものごとのことわり―に飽くなき興味を抱いて欲しいと思います。2行目の数式が3行目に変形できたことに喜び,入り口の違う数式が最後に一致することに感動する,それこそが必要な感性です。現在値が高いに越したことはありませんが,もっと大切なことは正の微係数をもっていること。キーワードは計算,根性,好奇心です。
物性物理学は日々その裾野を広げ,新しい物質や現象が泉の如く湧き出しています。その中を私は,低次元特有の新奇な量子協力現象を主題として探索しています。スピン・ギャップという概念は私の大学入学当時に論文発表され,図らずも学位取得後これを研究することとなりました。大学院に進学する頃,高温超伝導のニュースが世界中を駆け巡りました。研究室では電気を流す高分子ポリアセティレンについて教わり,その電子状態計算に没頭しました。8年後に,実験現場の一喜一憂をご教示くださる白川先生がノーベル賞に輝かれるとは露知らず。炭素が造るサッカー・ボール,白金が造るナノテューブ,硬そうな無機物のスピン・パイエルス転移,柔らかそうな有機物の強磁性,ナノスケール単分子磁性体に観る量子トンネリング,光でオン/オフ光スウィッチング磁石,・・・。
物質や現象の妙を追及するには道具立ても重要で,これを工夫し研きをかけることも,理論物理学者の楽しみであり誇りです。配位間相互作用,経路積分,連分数展開,電子相関やダイナミクスを計算するために,あの手この手を用います。数値コードを書くのは大変ですが,数ヶ月数十GBの計算を成し遂げた暁の爽快感は格別です。計算物理学あるいはコンピュータは万能ではありません。一世紀前に発案されたスピン波理論は,コロンブスの卵のような修正を加えることで,低次元にも常温にも適用することができます。群論は,結晶の対称性がもたらす電子の芸術を精緻に解き明かしてくれます。趣向を凝らして極上の一品を仕上げる―物性理論研究は芸術的創作活動そのものです。この冒険を共にする,夢多きそして気迫あふれる若者を待っています。
最後に,本当のサッカー・ボールを共に追いかける人の入部も歓迎します。サイド・チェインジ,センタリング,オフサイド・トラップ(?),研究現場にもさまざまな戦術や一喜一憂があります。
連絡先
〒060‐0810 札幌市北区北10条西8丁目
北海道大学大学院理学研究院物理学部門
理学部2号館11階15号室
TEL&FAX: 011‐706‐2681
E-mail: yamamoto@phys.sci.hokudai.ac.jp
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2013年2月11日改訂