Colloquium
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Colloquium 2005
- 題目:
強相関電子系の電子構造計算:充填スクッテルダイトを中心にして
- 講師:
播磨 尚朝氏
(神戸大学理学部物理学科 教授)
- 日時・場所
2006年1月12日(木曜日)16:00から
理学部2号館211室において
- 要旨
近年の計算機資源の急速な普及に助けられ、電子構造計算は目覚ましい発展を続けている。フルポテンシャル法などの信頼性の高い計算が日常的に実行可能となったことに加え、従来の局所密度近似(LDA)を越えた計算の試みが数多くなされている。そこで、最近行われたThIn_3などのフェルミ面の研究を例として、フルポテンシャル法による計算結果の信頼性の高さとLDAの限界を議論したのち、強相関電子系で試みられているLDA+U法の考え方を紹介する。さらに、最近、注目を集めている充填スクッテルダイト化合物RT4X12 (R:希土類など、T:Fe, Ru, Os、X:P、As、Sb)の一連の異常物性に簡単に触れ、LDAによるLa系の計算によるフェルミ面の特徴や電子構造の元素依存性とLDA+U法によるPr系の計算例を紹介する。また、原子核位置での電場勾配の計算結果とNQR周波数との比較を通じて、核四重極モーメントの値や希土類位置での電荷分布の異方性の影響について議論する。
- 連絡先: 網塚 浩 (x 3484)
物理コロキウム世話人 北 孝文 (x 2687); 古川裕次 (x 4424)