Colloquium
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Colloquium 2004
題目:
スピングラス状態の壊れやすさについて
講師:
福島 孝治 氏
(東大院総合文化)
日時・場所:
2004年12月14日(火曜日)
16:00-17:30
物理学専攻 大学院講義室(2-211)にて
要旨:
ガラス的な挙動を示す系の平衡状態は,一般的に「こわれやすい」性質を持っ
ていることが多い.例えば,温度等の環境のわずかな摂動に対して,ガラス的
な性質を残したまま,敏感にその平衡状態を大きく変えることがある.スピン
グラス系もこの性質を持っていると予想されてきた.また,近年の奇妙なエー
ジング現象を説明するためのシナリオとしても注目されている.理論的には,
摂動前後の平衡状態間の相関を調べることで,この「これやすさ」が特徴つけ
られる思われるが,平均場理論でさえ多くのことはわかっていない.我々はス
ピングラス系の標準的な模型であるエドワーズ・アンダーソン模型について,
繰り込まれた結合定数の摂動前後における相関をモンテカルロ法で評価するこ
とによって,スピングラス状態のこれやすさを定量的に調べた.そのためのモ
ンテカルロ技法と得られた結果について詳しく紹介したい.また,摂動の種類
に依らない普遍的なスケーリング則についても議論する予定である.
この研究は,東大物性研の佐々木氏,高山氏,および阪大理の吉野氏との共同
研究である.
連絡先:
根本幸児 (x3441) nemoto@statphys.sci.hokudai.ac.jp
物理コロキウム世話人:
中山隆一
(x 2696) ,
北 孝文
(x 2687)