Colloquium 2001
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Colloquium 2001
以下のように物理コロキュウムが予定されています。皆さん奮って御参加下さい。
- 題目:
モルフォトロピック相境界近傍における巨大圧電効果
- 講師:
上江洲 由晃氏
(早稲田大学理工学部物理学科教授)
- 日時・場所:
2001年7月5日(木曜日) 16:00から
物理学専攻 大学院講義室(2-211)にて
- 要旨: リラクサーとチタン酸鉛強誘電体との固溶体の、モルフォトロピック相境界1)(MPB)で、巨大な圧電効果2)が発現することが知られている。電気機械結合係数3)は90%を超え、これは今まで知られている最大の値で ある。したがって圧電効果を利用した様々な応用への関心(例えば超音波診断装置の高解像度プローブ、アクチュエータ、デフォーマブルミラー、ソナー、マイクロマシーン)から現在もっとも注目を集めている強誘電体のひとつである。しかしながらなぜMPBでおきな圧電特性が生じるのかについては、長い間謎であった。最近実験理論の両面から著しい進展がある。実験的にはBrookhavenのグループを中心に、MPBの対称性が低下していること、すなわち従来知られていたようなMPB両端物質の対称性の共存ではなく、単斜晶相であることが明らかとなった。また理論的には、第1原理計算によって、分極の回転が大きな圧電効果をもたらすこと、そのときに単斜晶相がエネルギー的にも有利であることが導かれている。この談話会では、われわれがBrookhavenのグループと共同で行ってきたPZN/9PT系の結果を中心に、最近のこの分野の発展を紹介する。
1)2つの相ではさまれた領域、特に組成比に対しての相境界で、温度軸に 対して相境界がほとんど平行な場合をさす場合が多い。
2)電場を加えて歪を生じさせる効果、あるいは逆に応力を加えて電気分極 を発生させる効果
3)電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換効率
- 連絡先: 八木駿郎 (x2882) <toyagi@es.hokudai.ac.jp>
物理コロキウム世話人:
北 孝文 (x 2687) <kita@phys.sci.hokudai.ac.jp>
末廣一彦(x 2686) <suehiro@particle.sci.hokudai.ac.jp>