Colloquium 2001
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Colloquium 2001
以下のように物理コロキュウムが予定されています。皆さん奮って御参加下さい。
- 題目:
シュレーディンガー論 ― 心と物 ―
- 講師:
藤田 晋吾氏
(筑波大学哲学思想学系教授)
- 日時・場所:
2001年7月4日(水曜日) 15:00―16:30
理学部2号館4-09 にて
- 要旨: シュレーディンガーがアインシュタインとともに量子力学(とくにコペンハーゲン解
釈)に不満であったことは、よく知られている。それでは、その不満の理由はどのようなもの
か。彼は「一元論的な決定論的な考え方を押し通そうとした人」と言われている。だから、量
子力学が物理学の基本理念たる<因果性>を否定すること、それが彼の不満の種であるかのよ
うに言われる。しかし、決定論であるべしとすることは、彼に言わせれば、先入見である。彼
の量子力学批判の根拠は、量子力学が「理解可能性の原理」からの逸脱だという点にこそ存す
る。彼は物理学を介して哲学に足を踏み入れたのではない。彼の哲学的主著『心と物』を読む
と、彼の哲学的核心が物心一如(Mind and matter is one and the same)のテーゼであったこ
とが分かる。彼はこのテーゼで自ら袋小路に陥った。しかし同時に、物理世界と心(自由意
思)のディレンマが量子力学の非決定性によって解決されるのではないか、という示唆に欺か
れることもなかった。
- 連絡先: 石垣壽郎 (x4420)
<ishigaki@hps.sci.hokudai.ac.jp>
物理コロキウム世話人:
北 孝文 (x 2687) <kita@phys.sci.hokudai.ac.jp>
末廣一彦(x 2686) <suehiro@particle.sci.hokudai.ac.jp>