物性談話会99
Division of Physics, Grad. Sch. of Sci., Hokkaido Univ.

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・題目:

スピングラス系のエイジング現象

・講師:

根本 幸児氏(統計物理学研究室)
(by Koji Nemoto)

・日時・場所:

6月25日(金) 13:00-14:00
大学院講義室(2-211)にて
[6/25 (Fri) 13:00-14:00 @ Lecture Room (2-211)]

・要旨: 

スピングラス系では、緩和が温度の低下とともに急激に遅くなるという特徴がある。 これは、ナイーブな意味でのスピングラス転移が起こった後、 非常に広い範囲の(上限を持たない)時間スケールの分布が 発現するためと理解されている。 しかし、そのメカニズムについてはまだ解明されたという状況ではない。 というのも、平衡状態の実験を行うのが(計算機実験を含め)困難だからである。 最近では、非平衡緩和の性質そのものを調べることが系の理解につながるという 方向の実験的研究が盛んに行われてきている。 講演では、最近特に注目を集めているエイジング現象という一種の メモリー効果の実験を紹介し、 それがどのように説明されようとしているかを解説し (とても歯切れが悪いのはまだ決定的な説明がないからである)、 あわせて、階層拡散模型を用いた最近の数値計算の結果を紹介する。


 

・連絡先: 物性談話会世話人(北) (x 2687) <kita@phys.sci.hokudai.ac.jp>