Division of Physics, Graduate School of Science, Hokkaido University
半導体超格子におけるコヒーレントフォノン分光
三品具文氏(光物性研究室)
10月19日(金) 13:00-14:00
大学院講義室(2-211)にて
半導体超格子構造では、周期的な層状構造を反映して、電子状態ばかりでなく 音響型格子振動もブリルアンゾーンにおいて折り返し効果を受けゾーンセンター 付近に新たな振動モード(折り返し音響フォノン)を生じる。この現象は直感的 には超格子の周期構造によって音響フォノンの多重反射が起こるためと考えられ 典型的なフォノンバンド構造が形成されることが知られている。 コヒーレントフォノン分光とは超短レーザーパルスによって固体中に衝撃的に 格子振動を生成しその格子変位を時間軸上で観測する測定方法であるが、これを 半導体超格子に適用した結果、折り返し音響フォノンを反映したみごとなコヒー レントフォノン信号が得られた。 本講演では、実験結果より明らかとなった半導体超格子における折り返し音響 フォノンの実空間・実時間ダイナミクスについて紹介する。